鹿シリーズ

東京のアウトドアショップ「モンベル」で開催した「親子四人展」の際、辰野勇氏との会話のなかで乾漆の鹿を作りたい気持ちが湧いたがどうしても上手くいかなかった。僕にとっても奈良在住の辰野氏にとっても鹿は身近に感じられる動物でありながら、である。祖父の作品に鹿をモチーフとしたものがあり、僕には鹿が「自分の鹿」とはなりえなかった。父はその私に「馬の季節が終われば鹿が作れる」と言い、私はそれ以降鹿を作れるようになった。こうして制作に至った鹿シリーズが、『岳人』表紙を飾ることを願い僕は鹿を作り続ける。